あっちもそっち

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ヒメアノ~ル観ました(ネタバレ含)

友人に連れられ森田剛さん主演のヒメアノ~ルを観に行きました

映画『ヒメアノ~ル』 | 2016.5.28 ROADSHOW


公開日朝9時からこの映画を観るのもすごいな、と思いつつ映画館に行くと
座席はかなり埋まっていました、さすが…

感想や考察、疑問などをネタバレバッキバキで書いていきますので
まだ映画を観ていない方は以下の文章は後ほど見ていただければ幸いです


原作は読んでいません
それから映画や演技にも詳しいわけではありませんので
基本、褒めることしかできません
ご了承ください





恐ろしく、悲しくて、切なくて苦しい物語でした
ただ、ひたすらに凄惨な映画ではないことは
きちんとお伝えしておきたい
まぁグロかったけれど…
わたしは血の描写だとか人が苦しむシーンが
とっっっっても苦手なので一般的なラインがわからないけれど
直視はできませんでした

たくさんの方つぶやかれてますが年齢制限18歳以上に
引き上げてもいいのではと感じました
年齢制限の基準について調べてみると
今回のヒメアノ~ルR15+は
「PG12より刺激が強いものに加え、いじめ描写や暴力も審査の対象になる。
放送禁止用語を使用した作品や暴力団もの、偽造犯罪を題材にした作品も対象となる。
地上波放送の場合は深夜に放送したり、
特にゴールデンタイムに放送される場合は不適切なシーンがカットされることが多い。」

R18+については
「R15+に加え、著しく性的感情を刺激する行動描写や著しく反社会的な行動や行為、
麻薬・覚醒剤の使用を賛美するなど極めて刺激の強い表現が審査の対象となる。
このレイティングに指定された映画は、広告やCMでの宣伝が不可能に等しくなり
公開する映画館が大幅に減少する。地上波放送はほぼ不可能。」

参考→映画のレイティングシステム - Wikipedia

で、この判断は映画倫理委員会が行っているらしいのですが…
やっぱり18禁でもいいのでは…(笑)

しかし描写はやっぱり"グロい"けれど綺麗だった
何が、とはうまく説明できなくて歯痒いです

前半のラブコメパートと後半のシリアスパートの
塩梅がちょうどよかったです
パート転換のクレジットから
すでに震えが止まりませんでした(笑)
監督の日常と狂気の表現も
身が震え上がるほど恐ろしかったですね
日常と狂気=性と暴力
気分が悪いと思いつつも感動してしまいます

森田くんの演技をきちんと見るのは
はじめてでしたが無意識に引き込まれました
森田剛が演じる姿ではなく、
たしかに"森田正一"がそこにいる
森田剛でないと演じることができなかった
そう思います



この主人公森田について思うことがあったので
わたしなりに書いてみます

途中から森田はただの殺人鬼だったように感じました
イラついたから、気に食わないから、
都合が悪いから殺す
それだけの殺人鬼に成り果てていた
殺しがだんだん雑になってきているのです
時間と計画的こともあっただろうが
準備も、後始末もなしに殺す殺す殺す…

公式を見ると森田正一は
サイコキラーであると書かれています
サイコキラーとは、サイコパスなどのため猟奇殺人もしくは快楽殺人を繰り返す殺人犯のこと
ではサイコパスとは何か?
サイコパスは精神病質者を表します
この、サイコパスの大きな特徴に
良心が異常に欠如していることが挙げられます

森田はサイコパスだったのか、映画を観てから
ずっと疑問に感じています

たしかに残忍なことを平気で行う
殺人鬼ではあったけれど
人を殺したいという気持ちがあったのか…


もし森田が生まれつきこんな人間ではなかったとしたら
彼にとって"狂った"ポイントはいくつかありました

  • 岡田に騙され学校へ行った日
  • 河島を殺害したとき
  • 岡田とユカが結ばれた夜
  • 車での事故

最後は決定的ですが…
特に上の2つは大きかったのではないでしょうか
河島を殺したことで快楽を得たのか、
それとも苦しい思いをするなら最初から殺しちゃえばいい
そう思って殺すのか、私にはわかりません



ラストシーン、既に観た方は強烈に
残っているのではないでしょうか
事故の瞬間、森田は高校時代へ飛びます
もう、彼の見ている景色は違います
学生服をきた自分と岡田くん
扇風機が回っていて
庭には白い犬が、いる

形の変わった車
森田は何事もなかったように
岡田くん、と明るい声をかけます
借りてたゲーム、返さなきゃ
車の中をごそごそとあさりだし
お母さん、麦茶2つ!
彼は岡田との楽しかった日々の中にいて
また遊びに来てよ

そう告げて警察に連れていかれた


借りていたゲームを返さなきゃ、と思う高1の森田
とてもいい子じゃないですか

死体を平気で轢いたくせ、犬を見てとっさに
ハンドルを切った森田
このとき森田は飛んでいたのか、
本能でハンドルを切ったのだろうか

高1の彼は確かに純粋でまじめな男の子だった
わたしにはそう感じられます

森田を騙しておいて
喫茶店で久しぶり、なんて話しかけちゃう岡田のほうが
わたしからすればよっぽど怖いですよ

ここで映画は終わりますが
もう、森田は戻れないんじゃないかと思いました
これから彼らはどうやって生きていくんでしょう
岡田はユカと幸せになれるんでしょうか




久々に感想を語り合いたいと思った映画でした
色んな方の意見、考察が聞きたいですね
観っぱなしじゃもったいないです
映画が終わって、照明が明るくなってからの
客席の「…………っ」という息がリアルで
みんな息をつくことも忘れていました
解放された気持ちがして、ホッとして、
どっと疲れました
映画館を出て、それから街に出ると
景色が変わって見えました
どんな人でも純粋な気持ちを持っていたし、
人への恨みとか、苦しみだって溜め込んでる
みんな生きているし、生きるってそういうことですね

それから一仕事してからの夜道はやっぱりこわかったです
23時の明かりのない田舎道にぞくぞくしました
戸締りちゃんとしないとね